『筆跡鑑定ハンドブック』(魚住和晃,三省堂,2007.07.15) [本]
「筆跡鑑定」のすべてがわかる小辞典、というのが副題。
先日読んだ『一澤信三郎帆布物語』の筆跡鑑定に関する部分で紹介されていたので、興味を持って読んでみた。
意外というか、驚いたのは、筆跡鑑定というものの信頼性は私の考えているレベルよりかなり低い、ということ。
まず、筆跡鑑定士という公的な資格はない、というのは初耳。
一部、本書から引用。
本書は、上記のような現状に対して、筆跡鑑定の基準となる手順と方法を提言したもの、とのことだが、一日も早く、少なくとも今より公正な筆跡鑑定法が確立されることを祈りたい。
先日読んだ『一澤信三郎帆布物語』の筆跡鑑定に関する部分で紹介されていたので、興味を持って読んでみた。
意外というか、驚いたのは、筆跡鑑定というものの信頼性は私の考えているレベルよりかなり低い、ということ。
まず、筆跡鑑定士という公的な資格はない、というのは初耳。
一部、本書から引用。
では、こうした裁判で登場する筆跡鑑定士とはどんな人で、どんな資格のもとに存立するのかであるが、これには全く法的な規定がないのである。鑑定能力を測る国家試験に類するような認定制度はなく、すべてが自称の筆跡鑑定士なのである。筆跡鑑定法に関するセオリーなどはなく、鑑定も鑑定士独自の方法でなされることになる。
さらにやっかいなことは、これらの鑑定士の多くが、前述の科学捜査研究所出身者によって占められていることである。つまり、警察を定年退職したあとに、第二の人生としてこの職を開業しているのである。彼らは筆跡鑑定の技量水準の現状と弱点、さらには論法の手の内などを熟知している。職業として依頼を受け、対価を得て鑑定するのだから、依頼者の求めに準じた結論を導くに決まっている。彼らの職業はそうしなくては成り立たないのであり、弁護士の存在との共通性を考えるならば、彼らのありかたそのものを司法の場で責めることはできないだろう。
本書は、上記のような現状に対して、筆跡鑑定の基準となる手順と方法を提言したもの、とのことだが、一日も早く、少なくとも今より公正な筆跡鑑定法が確立されることを祈りたい。
2010-03-01 21:26
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