SSブログ

『ブラック・スワン』(ナシーム・ニコラス・タレブ,ダイヤモンド社,2009.06.18) [本]

不確実性とリスクの本質、という副題の添えられた本書だが、作者のナシーム・ニコラス・タレブ (Nassim Nicholas Taleb) は「レバノンでギリシャ正教の一家に生まれた、文芸評論家、実証主義者にして、非常のデリバティブ・トレーダー」とのこと。

ブックカバーの袖には、次のような解説が……。
ブラック・スワン(黒い白鳥)とは、まずありえない事象のことであり、次の三つの特徴を持つ。
予測できないこと、非常に強い衝撃を与えること、そして、いったん起こってしまうと、いかにもそれらしい説明がでっち上げられ、実際よりも偶然には見えなくなったり、あらかじめわかっていたように思えたりすることだ。
Googleの驚くべき成功も、9・11も「黒い白鳥」である。
宗教の台頭から私たちの日常生活まで、ほとんどすべての背後には「黒い白鳥」が潜んでいる。
だが、実際に起こるまで「黒い白鳥」という現象に私たちが気づかないのはなぜだろうか?
その謎を解き明かしてくれる本書を読めば、世界の見方が変わるだろう、

正直、通読してみても、私にはよくわからなかった。
私の理解を超えた難しさなのか、それとも、作者(もしくは翻訳者)の書き方が悪いのか……?

とはいえ、私なりに考えた結果、作者の主張は、
「私が今ここに生きていることは、確率の低い事象がいくつも重なった結果だ。でも、私はそのことをよく忘れる」 ということと、
ローマの弁舌家であるキケロが語ったという、
「メロスのディアゴラスは神を信じない人だった。彼は神を信じる人たちが祈りをささげ、その後、船の遭難に出くわして生き延びた様子を描いた石版を見せられた。見せた人が言いたかったのは、神に祈れば難破しても生き延びられるということだった。ディアゴラスはこう尋ねた。『それで、祈って溺れ死んだ連中の絵はどこだ?』」
という話、つまり、溺れた信者は死んでしまったので、海の底からでは、自分の経験を吹聴するのは不可能であり、そのため、溺れなかった信者(自分の経験を吹聴できるもの)が語るバイアスがかかった事実を奇跡だと信じそうになる、
ということに集約されるのかもしれない。

まあ、しばらくして、もう一度読んでみよう。
そうすれば、新しい理解があるかもしれない。



ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質

ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質

  • 作者: ナシーム・ニコラス・タレブ
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2009/06/19
  • メディア: ハードカバー

ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質

ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質

  • 作者: ナシーム・ニコラス・タレブ
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2009/06/19
  • メディア: ハードカバー

まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか

まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか

  • 作者: ナシーム・ニコラス・タレブ
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2008/02/01
  • メディア: 単行本



nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。