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『ぼくのエリ - 200歳の少女』 [映画]

銀座テアトルシネマで8/27まで公開されている『ぼくのエリ - 200歳の少女』を観てきました。
勘のいい人なら「200歳の少女」という副題で気がつくでしょうが、冬のストックホルム郊外の街を舞台にした吸血鬼映画です。

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英題は、“Let The Right One In”。
原題も同じ意味合いらしいですが、「正しいものを受け入れよ」とでも訳せばいいんでしょうか?
ハリウッド・リメイク版は“Let Me In”。
部屋の主に招き入れられないと、その部屋には入ることができない、という吸血鬼に関する伝説と「私を受け入れてほしい」という吸血鬼の少女の思いを重ね合わせているのでしょうか?

映画評などでも評価が高いようですが、たしかに私が今までに見た吸血鬼映画の中でも、現代を生きる吸血鬼の生活をリアルに描いているという点で、あの『ニア・ダーク - 月夜の出来事』を凌ぐインパクトのある映像でした。

12歳で幼生固定されているエリ。
そんなエリを保護する中年男性。
そして、エリと恋に落ちる12歳の少年オスカー。

映画の中では、名前すら与えられていなかった中年男性は、かつてのオスカーと同じ。
半世紀近い昔、エリと巡り会い、彼女を愛し、守護者となることを選んだのだろう。
彼は、エリのために人を殺め、逆さに吊って血抜きをして、彼女の食料となる「生き血」を手に入れる。
そればかりか、自分の身に追っ手が迫ると、壮絶な痛みを伴うだろうに、身元がわからないよう、自らの顔を薬品で焼く。
そして、最後には、自らの生き血をエリに分け与えた後、病院の窓から身を投じ、命を絶つ。
徹底的な、見ているだけで痛さが伝わるような献身と忠誠心。
一緒に年老いることのできないエリにとって、男性はどんな存在だったのか?

エリの助言で、いじめっ子に対抗したオスカーは、計画的な反撃を受け、プールで溺死させられそうになるが、いじめっ子たちを一瞬で虐殺したエリに救われる。

劇の最後、エリがオスカーに残したメモに記されていた「ここを去って生き延びるか。とどまって死を迎えるか。あなたのエリより」という言葉に導かれたかのように、オスカーとエリは列車で旅に出る。
オスカーの足元には大きな箱。中からはモールス信号。
これからは、オスカーがエリを護るのだ。その命の続くかぎり。

原作の『モールス』は未読なのですが、早く読んでみよう、と思う映画でした。
映画では省略されている部分が多いらしく、楽しみです。

ぼくのエリ - 200歳の少女
http://www.bokueli.com/



MORSE〈上〉―モールス (ハヤカワ文庫NV)

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  • 作者: ヨン・アイヴィデ リンドクヴィスト
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2009/12/30
  • メディア: 新書

MORSE〈下〉―モールス (ハヤカワ文庫NV)

MORSE〈下〉―モールス (ハヤカワ文庫NV)

  • 作者: ヨン・アイヴィデ リンドクヴィスト
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2009/12
  • メディア: 新書



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『書道ガールズ!! わたしたちの甲子園』 [映画]

先週末に出かけた京都で、夜の時間を持て余し、新京極にあるMovix京都で成海璃子主演の『書道ガールズ!!』を観てきました。
成海璃子さん、『武士道シックスティーン』にも主演されてましたね。

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大筋は、愛媛県四国中央市の高校で始められた書道パフォーマンスの実話に基づくもの。
成海璃子に加え、桜庭ななみ、山下リオ、小島藤子と美少女オンパレード。
そういう意味では見応えがあります。
ただ、物語そのものは、途中、アンジェラ・アキの『手紙ー拝啓 十五の君へ』が流れてきたときは、
「このまま合唱団の話になるのか?」
と思ってしまうような展開。
なんだか統一感というか、しっかりした方向性がないような……?

それにしても、書道部の先生役の俳優さん、「どこかで見たことあるなぁ……?」と思っていたら、RISEの金子ノブアキさんでした。
最近は、俳優としても活躍されているんですね。知らなかった……。(^_^;)



大切

大切

  • アーティスト: FUNKY MONKEY BABYS,FUNKY MONKEY BABYS,川村結花,NAOKI-T
  • 出版社/メーカー: ドリーミュージック
  • 発売日: 2010/05/12
  • メディア: CD

手紙~拝啓 十五の君へ

手紙~拝啓 十五の君へ

  • アーティスト: アンジェラ・アキ
  • 出版社/メーカー: ERJ(SME)(M)
  • 発売日: 2008/09/17
  • メディア: CD

「書道ガールズ!!私たちの甲子園」 [DVD]

「書道ガールズ!!私たちの甲子園」 [DVD]

  • 出版社/メーカー: バップ
  • メディア: DVD


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『アバター』、上海でとんでもない人気に。 [映画]

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中国で、IMAXの『アバター』が大人気だそうです。
それにしても、1か月先のチケットまで売り切れ、ってすごいですねぇ……。


IMAX-3D映画「アバター」、上海でとんでもない人気に

 上海市内では和平影都で放映されているIMAX-3D映画「アバター」が、上海でも空前の大ヒットになっている。チケットは売り出してから6時間以内に1ヶ月先の座席1万枚まで売り切れるという人気ぶりで、映画館では1月9日から24時間でチケットを売り出すなどの対策がとられている。
 チケットは1枚150元(約2,200円)。
 上海で見られないとわかった市民の一部は、上海周辺の蘇州や無錫などの映画館のチケットも物色しはじめており、無錫では1枚100元のチケットが120元にまで値上がりしている。
 蘇州では蘇州科文中心、無錫では無錫大世界影城でIMAXシアターが完備されている。
 「アバター」で導入されているIMAX-3Dは、普通の3Dと違って映像がよりはっきりと大きく映し出されるのが特徴。




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『ファイティング・シェフ~美食オリンピックへの道』 [映画]

高田馬場の「ラ・ミティエ」でポスターを見かけて以来、ずっと気になっていた映画『ファイティング・シェフ』をようやく観ることができました。
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1965年に得たミシュランの三つ星を40年以上維持している伝説的ともいえるフランス人シェフ、ポール・ボキューズにより、1987年からフランス・リヨンで2年に一度開催されているフランス料理の国際大会「ボキューズ・ドール国際料理コンクール」。
この世界最高峰の「美食オリンピック」に挑むことになったスペイン代表ヘスース・アルマグロ。
本選出場に向け、試食会を繰り返しながら試行錯誤を続け、上位入賞を目指すヘスースは、
2005年優勝者のセルジュ・ヴィエラのアドバイスを受け、これまでの料理を大幅に変更。
スペインの威信を背負ったヘスースは、果たしてどのような料理を作るのか……。

というのが、大筋ですが、2007年大会の課題食材であるフランス・ブレス産の鶏肉、ノルウェー産のオヒョウ、ノルウェー産のタラバガニという三つの素材を駆使して、5時間半という時間制限に追われながら料理を作る姿は、戦場で戦う兵士のようにも見えました。

このヘスース・アルマグロというのは、とても飾り気のない人で、試食会での先輩達の辛口のコメントに「何度も帰りの車の中で泣きそうになった」とこぼしてみたり、本戦第二日目の上位陣(特にフランス代表)の料理の見事さに言葉を失ったりと、その想いがこちらにも直に伝わってきます。

本戦での結果は、スペイン代表としてはこれまでで最高となる第9位という記録を残したものの、ヘスース本人としては不本意な結果に終わってしまいましたが、スペインに行く機会があったら、ぜひ彼が働くレストランに行ってみたいものです。

ファイティング・シェフ公式サイト
http://bishoku-movie.com/


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『アバター』(AVATAR) を観てきました。 [映画]

3D大作として話題の映画『アバター』(AVATAR, 2009)を観てきました。

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『タイタニック』以来、実に12年ぶりとなるジェームズ・キャメロン監督の新作。
あの『ターミネーター』(The Terminator, 1984) と『アビス』(The Abyss, 1989) を創りあげたキャメロン監督の12年ぶりの新作なので、期待も自ずと高まります。

物語の大まかな流れは、次のとおり。

22世紀、人類は、惑星パンドラに到達、「キロ20億で売れる」という貴重な鉱物アンオブタニウム採掘のため、惑星パンドラで先住民ナヴィを懐柔する手段を探っていた。
人間と似た外見だが、全く異なる文化を持つため、交流を深めることが難しい先住民ナヴィからなんとか情報を集めるため、開発会社は科学者チームによる「アバター・プロジェクト」を計画。この計画は、人類と先住民ナヴィのDNAから遺伝子操作により「アバター」(分身)と呼ばれる人工生命体を作り、特殊な装置で神経接続(リンク)された人間がその人工生命体を遠隔操作するというもの。
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戦闘中の負傷が原因で下半身不随となり車椅子での生活を余儀なくされていた元海兵隊員ジェイクは、不測の事故で亡くなった科学者だった双子の兄に代わり、このプロジェクトへの参加を要請される。同一の遺伝子を持つ彼は、兄の遺伝子を基に作られたアバターにリンクできるからだ。
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下半身不随の治療費を得るため、ジェイクはプロジェクトへの参加を決意。5年あまりの月日を冷凍睡眠で過ごし、惑星パンドラに到着する。
アバターとリンクすることで、再び肉体の自由を得た彼に与えられた任務は、ナヴィや惑星上の生物の調査を行う科学者チームの護衛だった。しかし、その一方で、開発会社の私設軍隊の指揮官からは、海兵隊員だった経験を活かし、鉱物採掘の妨げとなっているナヴィの村に関する情報を収集、報告せよ、という影の任務も与えられていた。
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自由の利かない足の治療を約束されたジェイクは、科学者側のプロジェクトの一環としてナヴィの村で生活をしながら、村の構造や攻略ポイントに関する情報を指揮官に提供していく。
しかし、村での生活に溶け込んで行くに従い、惑星の生態系を尊重し、共生して暮らすナヴィの姿を見て、ジェイクの心は徐々にナヴィ側に傾いていく。
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数々の試練を経て、一族の一員として認められ、また、族長の娘ネイティリと恋に落ちたジェイクは、ナヴィの懐柔を断念し、アンオブタニウムの採掘の強行のためにナヴィ一掃攻撃を開始した私設軍隊に対し、パンドラを救うために、人類ではなく、ナヴィの一員として反旗を翻す……。

いやぁ、期待していたより、ずっと楽しめました。
3D大作というので、今までにもよくあった、3Dに「だけ」重点を置いた中身のない映画だったらどうしようと危惧していましたが、3D効果そのものはどちらかというと控えめ。主に画面の奥行きを表現するために使われていました。

その、今までにない画面の奥行きが、惑星パンドラの自然の美しさや壮大さを効果的に表現していて、最初は私設軍隊のスパイとして協力していたジェイクが、神秘的な精霊との遭遇や「イクラン」と呼ばれる翼竜を馴らす儀式などを経て、ナヴィの側に心を傾けていく過程に観客が共感できるようになっていたのは、脚本構成のみならず、映像処理の巧みさでしょう。

青い皮膚と大きな眼、長い尻尾を持つナヴィの外見も、最初は違和感を覚えるのですが、物語の展開に連れ、徐々にその違和感がなくなってくるのが不思議でした。

ストーリーの見せ場は、やはり、「人類から送り込まれた裏切り者」としてナヴィの一族に追放されたジェイクが、「トルーク(最後の影)」と呼ばれる巨大翼竜とリンクすることに成功し、「トルーク・マクト(最後の影を駆る者)」として、村に戻り、人類との戦いを宣言するシーンでしょう。
もう、トルークのエピソードが出てきた瞬間にわかっていた伏線ですが、無条件に感動しました。

ただ、批判的な立場を取るなら、ナヴィの団結の象徴である「トルーク・マクト」となったジェイクが呼びかけたことで、人類による侵攻とはとりあえず無関係だった部族までもが総力戦に巻き込まれることになった、とも見られます。
そういう疑問もあったので、圧倒的な武器の力に倒れていくナヴィの人たちの姿を見て、かなり心が痛みました。
まあ、その心の痛みが、最後の巻き返しを見た感動につながるので、すべてキャメロン監督の計算によるものなのでしょうが……。

映画評やブログでの評価を読んでみると、『ダンス・ウィズ・ウルブス』と同じとか、『風の谷のナウシカ』の換骨奪胎に過ぎない、という意見も多いようです。
実際、私にも『もののけ姫』とアン・マキャフリィ作の『パーンの竜騎士』のエッセンスを混ぜ合わせたように感じられました。
ただ、それは、オーソドックスな貴種流離譚であれば、どの物語にも共通する構造を踏襲しているからで、この物語はこの物語として、完成度の高い作品だと思います。

1995年には本作の脚本が完成していたにも関わらず、映像化されるまでに10年以上を要した、この『アバター』。
1995年当時のCG等の技術では、自分のイメージを具体化できないと考えたキャメロン監督が、『タイタニック』の記録的な成功の後、資金提供を含めて3D撮影の技術開発に積極的に関わり、造りあげただけのことはあります。
ぜひ、映画館で、3Dで鑑賞してください。

ただ、ひとつ気になる点があります。

それは、作品の質とは直接の関係はないのですが、肝心要の3D専用メガネ。
XPAND社のシステム(液晶シャッター方式)なので、構造上、やむを得ないとは思いますが、かなり無骨な造りで、かつ、重いです。
私の場合、近視のメガネの上にかけざるを得なかったので、安定が悪く、ずっと指で支え続けることになりました。

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また、鑑賞料金(2,100円 = 通常料金:1,800円 + 3Dメガネ:300円)に、3Dメガネの利用料(300円)をしっかりと上乗せしているにも関わらず、配られたメガネのレンズは、指紋でベタベタというか、かなり汚れていました。
ポップコーンを食べた指ででも触ったのか、持っていたトレシー(眼鏡拭きの布)で拭いてみても、あまり効果なし。
そのため、鑑賞中、3Dメガネの角度によっては、時々、変な具合に光が映り込むことがあり、かなり気になりました。

ということで、これから、Movix等のXPAND社のシステムを導入している劇場でご覧になる予定の方は、
1. 近視等の方は、できればコンタクト・レンズに切り換える
2. 眼鏡クリーナーを持参する
といった対策を取られることをお薦めします。(^_^;)

……それにしても、ナヴィの後頭部から延びている髪の房の中の神経繊維のような触角で、動物や樹とリンクできる、というのは、うらやましい能力ですねぇ。

アバター公式サイト
http://movies.foxjapan.com/avatar/


■関連記事
『アバター』、上海でとんでもない人気に。
 http://fallon.blog.so-net.ne.jp/2010-01-13

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『未来の食卓』 [映画]

映画評を目にして以来、ずっと気になっていた映画。
東京で観る機会を逃してしまったので、ようやく観ることができた。
公開日は8月8日だから、4か月遅れ。なんだか感慨深い。

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映画は、南フランスのガール県にあるバルジャックという村の
「学校給食と高齢者への宅配給食を、すべてオーガニック食材を使ったものにする」
という試みを追ったドキュメンタリー。
冒頭で、パン(ブリオッシュ)を売りに来た子どもたちに、村長と神父が「オーガニックとは?」と問いかけ、少年が「自然のまま」と誇らしげに答えるシーンがとても印象的だった。

その後、場面は、パリのユネスコ本部で行われた会議での
「今の世代の子どもたちは、近代史上初めて親の世代と比べて、健康的に劣るかもしれません」
という衝撃的な発言へ。

随所で、バルジャック村の美しい景色が紹介される。
牧歌的な、典型的な農村風景に見えるのだが、その美しい光景に隠されたものを、映画は語っていく。
殺虫剤や除草剤といった農薬が、長い間に蓄積し、土壌や水源を汚染していて、その美しい村に暮らす人々にガンをはじめとする健康被害が出て、苦しんでいるというのだ。

映画は、同じ村で有機農法を営む農家と一般農法を用いる農家の主張も、正邪の判断を避けながら紹介する。
ただ、一般農法で農薬を散布する農場主に健康被害が出ていることも観客には知らされるため、一般農法の効率性を訴える農場主の姿が、自らの命を削る悲しい行為に見えるようにはなっている。
また、有機農法だけでは、必要な食糧をまかなえないだろう、という主張には、全耕作地を有機農法に切り換えれば、必要な食糧は生産できる、という研究発表を紹介していた。
それが、どこまで真実なのか、私にはわからないが……。

映画では、学校給食でオーガニックの味に慣れた子どもから影響を受けた親が、家庭の食事にオーガニックを取り入れていく様子も紹介されている。
子どものためなら、どこの国の親でも健康第一で考えるものなぁ。
『未来の食卓』という邦題は、未来の食卓を守るための活動、という意味のようだ。

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また、印象的だったのは、フィリップという10歳くらいの少年。
ニンジンが苦手だったり、
「好きなメニューは?」と問われ、「フライドポテト」と答えたり、
「僕が大好きだったフライは、もう給食に出ないの?」とのフィリップの問いに、「人工的に作られた素材を使っていたから、もう使わないんだ」とシェフが答えたり、
と、彼にとっては、昔の給食の方が懐かしいようでした。
子どものすべてが、すんなりとオーガニックの野菜好きになれるはずもない、ということのようです。
まあ、そうでしょうね。(^_^;)

有機農法などに詳しい方には物足りない内容かもしれません。
ただ、私には、オーガニック礼賛一本槍ではないバランス感覚が好ましく感じられ、毎日の食事を考え直す契機になりました。
考えさせられるいい映画でした。




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『ハッピーフライト』 [映画]

『スウィングガールズ』や『ウォーターボーイズ』の矢口史靖監督の最新作。
ANAの全面的な協力を得て、本物の機材や設備を駆使して撮影されているだけのことはあり、場面の一つ一つに見応えがある。
細部にさりげなく散りばめられた航空機運用に関するトリビアが、映画全体の奥行きを増している。
ストーリーも重すぎず、軽すぎず、見終わった後、明るい前向きな気持ちで劇場を出られる、休日の気分転換にお薦めの映画です。

エピソードの中では、田畑智子さん演じる女性グラウンド・スタッフの荷物を巡るエピソードが印象深く、最後に画面の向こうに、黄色いスーツケースが現れるのには、ちょっとほろっと来ました。

ただ、綾瀬はるかの活躍が少なめだったのは、ちょっと残念。
チーフ・パーサーが「数種類のハーブを使った……」と説明した魚料理を、匂いだけで「オレガノとローズマリー……」と説明するシーンが、タルト・タタンを機内にある材料を集めて焼く、というシーンにつながっているところは見どころだと思うけれど。

それから、ディスパッチャー(中島詩織)役の肘井美佳(26歳)という女優さんがとても美形で、大きく表情が豊かな目と、はっきりした表情に惹きつけられた。
きっと、これから頭角を現してくる女優さんだろうという予感がした。

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『ICHI』 [映画]

綾瀬はるかさん主演ということで、期待していた女性版座頭市映画『ICHI』。

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あらすじは、基本的には子母沢寛の原作に沿っているらしいのだが、主人公は、綾瀬はるか演じる離れ瞽女の市。
瞽女(盲目の女旅芸人)は男性と通じてはいけないという決まりがあり、自分の意思ではなく、襲われたとしても、結果としてその決まりを破ると集団から追放され、「離れ瞽女」になる、というのは、初めて知った。
過酷すぎる決まりのように思えるのだが、史実なのだろうか?

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市の場合、美形なのが災いし、いろいろと不幸が襲ってくるのだが、それを剣技で凌ぐ、というのは、ドラマとしては面白い。

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ただ、全編、詰めの甘さが随所に感じられた。
特に、十馬が剣を抜けないから戦えない、という設定は、「じゃあ、とりあえず木刀で戦えばよいのでは?」とツッコミたいようなお粗末さを感じた。
綾瀬はるかがきれいなので許せるけれど。歌も上手だったし。

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そういえば、佐田真由美さんが離れ瞽女役で出ていたのが意外だった。

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『ハンサム☆スーツ』 [映画]

今日が初日の『ハンサム☆スーツ』を観てきました。
物語のあらすじは、母親から引き継いだ「こころ屋」を経営する主人公、大木琢郎(塚地武雅)は、料理がうまく、優しい性格だが、親しい友人にすら即座に「不細工」と断言される容姿から、女性にはモテない。
そんな彼の店に、ある日、アルバイト希望の美少女、星野寛子(北川景子)にやってきて、そのあまりの可憐さに惚れ込み、告白してみたものの「がっかりです」という言葉で振られてしまう。
落ち込む琢郎が紳士服店(洋服の青山)で手に入れた「ハンサム・スーツ」を着ると、彼の外見がハンサム(谷原章介)に……、というもの。

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寛子の代わりに採用したアルバイト本江(大島美幸)と琢郎が心を通わせていくシーンの積み重ねが秀逸。
病院の屋上で琢郎が本江に告白するシーンを見て、
「これはこれで幸せだけれど、本江の内面と寛子の内面って、それほど差がないのでは……? なぜ、そこに気がつかない、琢郎?」
と思っていたら、本江の中から寛子が!!

寛子は寛子で、かつて一目惚れした琢郎に、どうしても自分の内面を見てほしくて、ハンサム・スーツならぬ「ブ・スーツ」をまとい、琢郎の身近にいた、という、どんでん返しのハッピー・エンド。

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途中、やや悪ふざけの過ぎるシーンもあるけれど、ぜひ、もう一度見てみたい映画です。


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『アクロス・ザ・ユニバース』“Across the Universe” [映画]

事前の映画評などで、ザ・ビートルズの曲で構成されたミュージカルとは知っていたが、ここまでストレートな“A Boy Meets a Girl”な物語とは思っていなかったので、劇場では不覚にも涙してしまった。
冒頭、主人公ジュードが口ずさむ“Girl”から物語は始まり、途中、だれるシーンもあるけれど、最後のシーンでは感動してしまった。
物語のあらすじは、リバプール出身の青年ジュードがアメリカに渡り、運命の女性ルーシーと出会い、紆余曲折があって一度は別れたものの、再び巡り会う、という、いい意味で直球勝負のラブ・ストーリー。
BGMも含め、劇中の曲はすべてザ・ビートルズの曲とのことだが、初期のザ・ビートルズのラブ・ソングの詞が素晴らしく切ないものだということがよくわかったのと同時に、サイケになってからの意味不明さが悲しい。
それにしても、“Hey Jude”の使われ方と、最後のシーンでジュードが“All you need is Love”をアカペラで歌い出す姿には心を奪われた。
秀作。

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『純喫茶 磯辺』 [映画]

前々から気になっていたのですが、ようやく劇場で観ることができました。

祖父の遺産が転がり込んできたことを契機に仕事を辞め、モテたいという単純な理由から喫茶店を開こうと思い立った裕次郎(宮迫博之)。
そんな父の単純さと無軌道さ、店のあまりのセンスの悪さに当惑しながらも、店を手伝う裕次郎の娘の咲子(仲里依紗)。
そこへ、バイトとして菅原素子(麻生久美子)が店に加わって……、というあらすじ。

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主人公は裕次郎かと思っていたのですが、実は咲子でした。仲里依紗が好演。
映画で観るのは初めてですが、演技がとても自然です。
なにが起きるわけでもないのですが、まったりした展開が癖になるような、ならないような……。
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『ザ・マジックアワー』 [映画]

三谷幸喜監督の新作ということで、初日の初回に観てきました。
お客さんの入り具合は、約6割。
もっと混んでいるかと思っていたので、少し拍子抜け。

舞台は、守加護(すかご)という架空の港町。
ギャングのボス(西田敏行)の愛人(深津絵里)に手を出したクラブの支配人(妻夫木聡)が、一切を水に流してもらうために伝説の殺し屋「デラ富樫」を探し出さなければならなくなり、彼が思いついたのは……、というのがあらすじ。

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期限までに見つけることのできなかった伝説の殺し屋の代役を、ギャング役志望の俳優(佐藤浩市)に頼み、映画の撮影だと信じ込ませる、というアイデアは楽しいのだけれど、映画の中の映画という設定に少し無理が感じられた。
出演している俳優さんは豪華なのだけれど、その豪華さが裏目に出たようにも思える。
愛人役の深津絵里さんの美しさも、クラブの支配人(妻夫木聡)に好意を寄せる従業員役の綾瀬はるかさんの魅力も埋没気味。

映画の撮影だと信じ込んでいる佐藤浩市とギャングとのかけあいは、そのすれ違い具合がおもしろいのだけれど、基本的には同じパターンなので、飽きてきてしまった。
さらに、最後の弾着のオンパレードのシーンも、やりすぎというか、コメディーとはいえ、あまりに現実味がなく、冷めてしまった。

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さすがの三谷監督もちょっと息切れなのでしょうか。
『THE 有頂天ホテル』を観たときほどの満足感は感じられませんでした。
守加護という街のセットを作り上げるということそのものに、気を取られすぎたのかなぁ……?
少し前にやっていた特番の中で三谷監督が紹介していて知ったのですが、セットの窓の外は書き割りではなく、ちゃんとセットになっているという豪華な造りで、確かに見応えはありました。
ちょっと残念。

しかし、守加護=「守(主)の加護がある街」という名前は、なにに由来するのだろう?
……と思っていたら、公式サイト(http://www.magic-hour.jp/)を見ていて、疑問が氷解。
守加護は「いりのい市」にある、とのこと。つまり、イリノイ州シカゴをイメージしているんですね。納得。


「ザ・マジックアワー」 オフィシャルブック (ぴあMOOK)

「ザ・マジックアワー」 オフィシャルブック (ぴあMOOK)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ぴあ
  • 発売日: 2008/05/23
  • メディア: ムック



ザ・マジックアワー オリジナルサウンドトラック

ザ・マジックアワー オリジナルサウンドトラック

  • アーティスト: サントラ,高千穂マリ
  • 出版社/メーカー: UNIVERSAL SIGMA(P)(M)
  • 発売日: 2008/05/28
  • メディア: CD



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『アフタースクール』 [映画]

評判がいいので、仕事帰りに無理して観てきました。
水曜日なので、映画館は女性でぎっしり。

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『水曜どうでしょう』の大泉洋さんの主演なので、もっとコメディ路線なのかと思いきや、しっかりとしたドラマでした。
劇中で大泉洋さんの演じている神野という教師のキャラクターに対する感じ方も、
普通の人→悪人?→善人へと変化していき、その演出や構成の巧みさに思わず唸ってしまいました。
細かい伏線が全編に散りばめてあり、劇場で一度観ただけでは、きっと見落としている伏線があると思います。DVDかなにかで、ゆっくりと見返してみたいです。

中でも、最後の靴のシーンの種明かしは、個人的にはとても受けました。
木村(堺雅人)さんの気持ち、よくわかります。


アフタースクールへようこそ!―映画『アフタースクール』OFFICIAL BOOK (Gakken Mook)

アフタースクールへようこそ!―映画『アフタースクール』OFFICIAL BOOK (Gakken Mook)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 学習研究社
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: 大型本



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『僕の彼女はサイボーグ』 [映画]

今日公開の映画『僕の彼女はサイボーグ』を観てきました。

監督は、『猟奇的な彼女』『僕の彼女を紹介します』などの作品で知られたクァク・ジェヨン監督。
主演は、綾瀬はるかと小出恵介。
予告編の綾瀬はるかがとてもかわいく撮れていて、期待していたのだが、確かに綾瀬はるかはかわいかった。その点は、大満足。
彼女の持つ独特の無生物感というか不思議な雰囲気が、サイボーグ(正確にはアンドロイド?)役には適役だったようだ。(写真は、靴を品定めする“彼女”。)

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ただ、物語としては、少し説得力がないというか、荒唐無稽というか、練り込みの甘さが否めないものだった。
あらすじは、20歳の誕生日を一人で過ごす大学生ジローの前に、不思議な美女が現れ、唐突に消えてしまうが、1年後の同じ誕生日に彼女とそっくりの、しかし微妙に違和感のある“彼女”が現れ、「私は、あなたを護るために、未来のあなたによって送り込まれたサイボーグです」と名乗り、すこし変わった同居生活を始める、というもの。
ただ、これは序盤で、中盤にはジローの故郷(それもジローの幼年時代の!)を訪れたり、後半には予告編やCMでもおなじみの大地震の場面、そして未来の場面へとつながっていく。

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問題は、序盤から中盤への展開が、後半にあまり活かされていないところ。
特に、“彼女(サイボーグ)”の感情に関する描写が荒く、ジローとの絆を深めていく展開が、会話ではなく、台詞の少ないイメージ・シーンでばかり表現されているため、観ていて感情移入しにくかった。
そのため、“彼女(サイボーグ)”にほんとうに感情が芽生えたのかどうかが、曖昧というか唐突に感じられてしまい、結果として、オークションで落札した“彼女(サイボーグ)”の記憶を追体験した“彼女(未来人)”が、ジローのところを訪れるという、本来感動するであろう展開に、説得力が欠けてしまっていた。

また、大地震で“彼女(サイボーグ)”を失ったジローが、老人になってから“彼女(サイボーグ)”を再生するのはわかるのだが、なぜか同じ顔をしたメイド・ロボットまで4体も作っていて、5体で無機質に"Happy Birthday"を歌うシーンは、狂気を感じさせるというか、かなりグロテスクな場面に思えた。
……監督の趣味なのだろうか?
それとも、日本人と韓国人の感性の違いなのだろうか?

まあ、全体的には楽しめる映画だったけれど……。
編集をしっかりやって冗長な場面を除き、“彼女”に感情が芽生えていく展開をもっと丁寧に描くなど、必要な場面にもっと時間を割けば、もっといい映画になったんじゃないだろうか。
120分という貴重な尺を無駄遣いしている印象がある。
やっぱり惜しいなぁ。

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予告編では、同じく綾瀬はるか主演作の『ICHI』と出演作の『ザ・マジックアワー』の予告編が上映されていた。
三谷監督なので『ザ・マジックアワー』は必見として、『座頭市』を翻案した『ICHI』も面白そうだった。
予告編を見るかぎりでは、綾瀬はるかの美貌が泥まみれでしたが、今から期待大。

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