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『ぼくのエリ - 200歳の少女』 [映画]

銀座テアトルシネマで8/27まで公開されている『ぼくのエリ - 200歳の少女』を観てきました。
勘のいい人なら「200歳の少女」という副題で気がつくでしょうが、冬のストックホルム郊外の街を舞台にした吸血鬼映画です。

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英題は、“Let The Right One In”。
原題も同じ意味合いらしいですが、「正しいものを受け入れよ」とでも訳せばいいんでしょうか?
ハリウッド・リメイク版は“Let Me In”。
部屋の主に招き入れられないと、その部屋には入ることができない、という吸血鬼に関する伝説と「私を受け入れてほしい」という吸血鬼の少女の思いを重ね合わせているのでしょうか?

映画評などでも評価が高いようですが、たしかに私が今までに見た吸血鬼映画の中でも、現代を生きる吸血鬼の生活をリアルに描いているという点で、あの『ニア・ダーク - 月夜の出来事』を凌ぐインパクトのある映像でした。

12歳で幼生固定されているエリ。
そんなエリを保護する中年男性。
そして、エリと恋に落ちる12歳の少年オスカー。

映画の中では、名前すら与えられていなかった中年男性は、かつてのオスカーと同じ。
半世紀近い昔、エリと巡り会い、彼女を愛し、守護者となることを選んだのだろう。
彼は、エリのために人を殺め、逆さに吊って血抜きをして、彼女の食料となる「生き血」を手に入れる。
そればかりか、自分の身に追っ手が迫ると、壮絶な痛みを伴うだろうに、身元がわからないよう、自らの顔を薬品で焼く。
そして、最後には、自らの生き血をエリに分け与えた後、病院の窓から身を投じ、命を絶つ。
徹底的な、見ているだけで痛さが伝わるような献身と忠誠心。
一緒に年老いることのできないエリにとって、男性はどんな存在だったのか?

エリの助言で、いじめっ子に対抗したオスカーは、計画的な反撃を受け、プールで溺死させられそうになるが、いじめっ子たちを一瞬で虐殺したエリに救われる。

劇の最後、エリがオスカーに残したメモに記されていた「ここを去って生き延びるか。とどまって死を迎えるか。あなたのエリより」という言葉に導かれたかのように、オスカーとエリは列車で旅に出る。
オスカーの足元には大きな箱。中からはモールス信号。
これからは、オスカーがエリを護るのだ。その命の続くかぎり。

原作の『モールス』は未読なのですが、早く読んでみよう、と思う映画でした。
映画では省略されている部分が多いらしく、楽しみです。

ぼくのエリ - 200歳の少女
http://www.bokueli.com/



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コメント 2

ふぅ

今の気分じゃないですが、観てみたい映画ではあります。
by ふぅ (2010-08-26 12:09) 

토토사이트

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