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『その科学が成功を決める』(リチャード・ワイズマン,文藝春秋,2010.01.30)  [本]

 原題は、“59 SECONDS”。
 59秒でできる心理学的な根拠のある自己啓発の方法、というのが、原題の意味。

 本書では、科学的な検証により、巷にあふれる自己啓発本の数々のメソッドの真偽が実証されていく。
 印象に残ったのは、イメージトレーニングは逆効果で、プラス思考の実践者は、ダイエットにも恋愛成就にも失敗する割合が高かった、という調査結果。
 う~む。考えさせられる。

 巻末に、著者がソフィーという友人に「科学的に裏付けがあって、しかも一分以内にできる自己啓発の方法はないの?」という質問に対する回答として、59秒でできる10のことがらが列挙されている。
 以下、抜粋。
 ……取り組みやすいのは、どれだろう?
  1. 感謝の気持ちを育てる
  2.  人生の中で自分が感謝することを三つ書き出す。あるいはこの一週間のあいだにとくにうまくいったことがらを三つ書き出す。すると一月ほどあいだ、幸福感が高まる。そしてそれまでより将来に対して楽観的になり、健康状態も良くなる。

  3. 財布に赤ちゃんの写真を入れる
  4.  財布に赤ちゃんの写真を入れておくと、なくしたとき戻ってくる割合が3割増える。赤ちゃんの大きな目とまるくて小さな鼻が、人の奥底に眠る進化のメカニズムに訴えて親切心を目覚めさせ、持ち主に返そうという気持ちが高まるのだ。

  5. キッチンに鏡を置く
  6.  自分が食べる食べ物を選ぶとき、目の前に鏡があると32%の人が健康によくない食品を避けたという実験結果がある。鏡に映る自分の姿を見ると、体形が気になり始め、身体にいい食品を選ぶようになるのだ。

  7. 職場に鉢植えを置く
  8.  職場に植物を置くと、男性社員の発想力が15%高まり、女性社員は問題に対してそれまでより独創的な解決法を考え出せるようになる。植物があるとストレスが減り、気分がよくなって創造力が高まる。

  9. 二の腕に軽くふれる
  10.  人の二の腕に軽く触れると、頼みを聞いてもらいやすくなる。人は誰かに触られると、無意識に相手を上位の存在として受け止めるからだ。デートの研究によると、二の腕に触れるとナイトクラブで相手がダンスの誘いに応じる率が2割増え、通りで知らない人に電話番号を教える確率が1割上がった。

  11. パートナーとの関係について本音を書き出す
  12.  パートナーと毎週数分ずつ、自分たちの関係をどう感じどう思っているか、おたがいに本音を書き出すと、関係が長続きする率が2割増える。このような「感情にあふれたメモ」には、たがいにプラスの言葉で話せる効果があり、より健全でしあわせな関係が続く。

  13. 嘘を見抜くときは目を閉じ、相手の言葉に耳を傾ける
  14.  相手の嘘を見破るヒントは、その言葉づかいに隠れている。人は嘘を話すとき「うーん」や「えー」などの言葉が多くなり、自分を差す言葉(「私に」「私が」「私の」など)を使わなくなる。そして電話よりeメールを使う方が、嘘を伝える率が2割減る。メールでは記録が残るため、あとで自分に跳ね返ってくる可能性が高いからだ。

  15. 子供をほめるときは、才能ではなく努力をほめる
  16.  子どもの才能より努力をほめると(「よくやったわ、ずいぶんがんばったのね」など)、実際の結果がどうであれ子どもの励みになり、失敗を恐れることがなくなる。

  17. 成功した自分ではなく、前進する自分をイメージする
  18.  夢が現実になったときの自分を思い描くかわりに、目標達成に向けて一歩一歩前進する自分を思い描く方が、はるかに成功する率が高い。とくに効果的なのは第三者の立場で眺めること。客観的に自分を眺める人は、主観的に自分を眺める人にくらべて成功する率が2割高い。

  19. 自分が遺せるものについて考える
  20.  親友が自分の葬式で弔辞を述べる場面を、少しのあいだ想像してみる。自分は個人として、あるいは仕事人としてなにを遺せるだろう。それを考えると自分の長期的な目標が明確になり、現在その目標に向けてどこまで進んでいるかを自覚することができる。


その科学が成功を決める

その科学が成功を決める

  • 作者: リチャード・ワイズマン
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/01/26
  • メディア: 単行本


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