『夢曳き船』(山本一力,徳間書店,2010.01.31) [本]
大店の材木商・伊勢杉は、向島の料亭・吉野の新築普請のため熊野杉千本を手配したが、江戸への回送の途中、時化に遭い700本を失う。他の火事の影響もあり、金策の苦労から自殺も考えた伊勢杉だが、箱崎町貸し元・あやめの恒吉の力を借り、一世一代の賭けにでる……、というのが大筋なのだが、全体のうち、約4分の3は、江戸への材木の回送への立会人に選ばれた代貸の暁朗の活躍の物語。
読んでいて面白いのだが、山本一力氏お得意の渡世人礼賛が目につき、少し嫌になるのが難点。
どうして、こう、渡世人礼賛作品が多いのか……。現代ほどではないにせよ、江戸時代においても、反社会的勢力だったのは間違いないのだが。
まっとうな暮らしを営んでいる江戸の庶民の哀感や人間模様を綴っていく作品を期待しているだけに残念。
でも、きっと、また新作が出たら、読んでしまうんだろうな。
読んでいて面白いのだが、山本一力氏お得意の渡世人礼賛が目につき、少し嫌になるのが難点。
どうして、こう、渡世人礼賛作品が多いのか……。現代ほどではないにせよ、江戸時代においても、反社会的勢力だったのは間違いないのだが。
まっとうな暮らしを営んでいる江戸の庶民の哀感や人間模様を綴っていく作品を期待しているだけに残念。
でも、きっと、また新作が出たら、読んでしまうんだろうな。