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山口に行ってきました (3) - 仙崎・金子みすゞ記念館 [旅]

今回の山口旅行の最大の目的は、久しぶりに山口在住の友人に会うこと、そして、金子みすゞが生まれ、20歳まで暮らした港町・仙崎を訪ねること。
仙崎駅から真っ直ぐに延びる「みすゞ通り」を500mほど歩くと、右手に再現された金子文英堂が見えてきます。
みすゞの生家である金子文英堂が元々在った場所に、生誕100年にあたる2003年(平成15年)4月に再現された建物だそうです。

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みすゞが暮らしていた当時の様子が再現された金子文英堂

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再現された帳場(当時のものは残っていない、とのこと)

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2階にあるみすずの居室。みすゞは、よく、窓から下の通りを眺めていたそうです。

この金子文英堂の建物の奥にあり、金子みすず記念館があります。
館内の展示などの雰囲気が、湯田温泉にある中原中也記念館と少し似ていました。
ただ、みすゞの場合、遺稿といえるものが、直筆の手帳に限られているためか、中原中也記念館にあった、作者の推敲の後が残る直筆原稿のようなものはなく、すべて写真かレプリカだったのが残念です。
直筆の手帳が見られるかなぁ、と期待していたのですが……。
今、誰の手の元に保管されているんでしょうね?

ただ、地元の方から聴き取られた話やみすゞの詩に出てくる地名や風物を解説したパネルや展示が充実していて、彼女の詩の世界をより深く理解することができたような気がします。
なにより、彼女の詩が、ほんとうに仙崎の地に根ざしていたものだった、ということがわかり、感動しました。

記念館のショップの女性に地図をいただき、歩いて5分ほどの遍照寺にあるみすゞのお墓に参ってから、「ぜひ」と薦められた王子山の高台へ。
この王子山からの風景を、みすゞは「王子山から町見れば、わたしは町がすきになる」と歌っています。

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王子山から見た仙崎の町並み

みすゞは詩の中で「木の間に光る銀の海、わたしの町はそのなかに、龍宮みたいにうかんでる」とも表現しましたが、たしかにぽっかりと海に浮かんだ島のように見える風景で、なにより自分の人生のほとんどを過ごした場所を一望できる、というのは、楽しいことも辛いことも思い出されて、感慨深いでしょうね、きっと。

みすゞの気持ちを追体験した後、みすゞにちなんで名づけられた「みすゞ公園」へ。
解説によると、仙崎から長門市三隅に向かう県道のトンネル工事中に地滑りがあり、その跡地を緑化し、公園にしたもの、だそうです。
えらく「散文的」ですね。

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みすゞ公園入口の石碑。奥に見えるのが県道のトンネル(白潟トンネル)

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石碑の裏側は、「わたしと小鳥とすずと」の詩碑になっていました

1995年の夏にNHKスペシャルでみすゞのことを知って以来、一度訪れたいと思っていた仙崎を訪れることができて、感無量の旅でした。
つきあってくれた友人に感謝です。


金子みすゞ記念館
http://www.city.nagato.yamaguchi.jp/misuzu/




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